鼻高町の残土処分場で応急安全工事実施/高崎市

(2014年7月18日)

写真を拡大応急工事後の現地(高崎市提供資料)

届出範囲超え首都圏から搬入。土砂の崩落、流出が懸念

 高崎市は、鼻高町地内の民間事業者による残土処分場の土砂の崩落や流出の恐れが高まったとして、7月1日から4日に、排水路や法面上部の土砂の一部撤去など、応急対策工事を実施したことを、15日の高崎市議会建設水道常任委員会に報告した。
 この処分場は、平成25年7月に高崎市が条例を制定し残土処分場に対する対策を強化する前に届け出が済ませられたもの。
 高崎市によれば、平成24年6月に民有林を伐採し、畑とするため同月から土砂の搬入が始まった。平成25年9月までに首都圏から約16万立法メートルの建設残土が搬入され、現状では当初の届け出の範囲を大幅に超え、群馬県が管理する砂防指定地内にも堆積していた。
 高崎市は、違法に搬入された土砂の流出など災害が懸念されることから、群馬県と連携し、事業者や土地所有者に対し法に基づく指導を口頭や文書で行ってきた。抜本的な見通しは立っておらず、雨の多い季節であることや、今後の台風によって、土砂の崩落が危惧されることから、市では、隣接する寺沢川下流の住民の安全を守るため、応急安全対策工事として、170メートルにわたって排水路を設置し、一部斜面の土砂を除去した。