外国人旅行者、どんな情報が役立つの?/高崎市

(2014年5月28日)

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外国人の立場で「必要な情報」。デジタルサイネージ活用

 高崎市は、外国人観光客向けの情報を、高崎駅構内などで表示する「デジタルサイネージ(電子看板)」設置や、スマートフォンで閲覧できるシステムの構築を進めている。
 富岡製糸場の世界遺産登録や2020年の東京オリンピック開催により、高崎市への外国人観光客の増加が予想されることから、市では、観光誘客を強化する基盤づくりとして取り組んでいる。
 高崎市は「かゆいところに手が届く外国人目線の情報発信」をめざし、在住外国人による「高崎海外ビジターおもてなし情報発信会議」を設置し、27日に高崎市役所で1回目の会合が開かれた。会議のメンバーは、高崎市の外国人向け観光パンフレットの製作に携わった人や高崎市国際交流協会の会員、高崎観光協会など27人で構成されている。
 富岡市長は「日本人には気づかないことを外国人の目で話し合ってほしい」と成果に期待している。
 出席した外国人からは、高崎駅からの道案内や目的地までの交通手段となる2次交通、無料WiFi、外国語で対応してもらえる医療機関の情報などが必要と指摘された。高崎市は、自然、寺社、だるまなどの魅力が多く安全なまちで、日本的な文化を体験し市民と交流できることがポイントになるという意見もあった。バックパッカーのような旅行者が少ないことや受け入れも課題としてあげられた。また、書類を日本語で記入しないといけないケースや印鑑の押印が必要になる場合のサポートなど、これまでに困った体験談も語られた。
 富岡製糸場については、外国人観光の視点からは、純日本的な文化を直接感じるものではないのでと、やや遠慮がちに一歩引いた意見も多かった。絹に関連し、和服や座繰りなど日本文化を体験したいと話された。
 高崎観光協会の菅田副理事長は「指摘を受けた内容は、日本人の観光客に対しても情報やサービスの提供が不足していることでもある」と話し、会議の成果をこれからの事業展開に生かしていきたい考えだ。高崎市のデジタルサイネージは、指で触れて情報を検索できるシステムが考えられており、次回の会議では、発信する情報について検討していく。