崔さんの詩を味わい再検証を

(2014年4月14日)

写真を拡大詩人の中村さんが記念講演

あすなろ忌

 鞘町の名曲喫茶「あすなろ」の経営者で詩人の崔華國(さいかこく)さんを偲ぶ「あすなろ忌」の集いが、13日に「カフェあすなろ」で行われた。
 「あすなろ忌」は今回で13回目となり、昨年から、かつての「あすなろ」の建物が高崎市によって改修され高崎経済大学生らの運営で復活した「カフェあすなろ」を会場に行われている。あすなろ忌の世話人を務める上毛新聞論説委員長の藤井浩さんは「あすなろ忌が始まった頃には想像もできなかった。昨年は、あすなろが復活し、県立土屋文明記念文学館であすなろと崔華國さんをテーマにした企画展も行われた。あすなろの精神を引き継ぐ試みとしてあすなろ忌があると思う」と話す。
 同会発起人代表の曽根ヨシさんは「来年は崔さんの生誕100周年であり、崔さんの詩を味わってほしい」と崔さんの詩を朗読した。
 集いでは、詩人中村不二夫さんが「崔華國の国境の超え方」をテーマに崔さんの精神性について講演した。中村さんは「崔さんが高崎に来る前の10年間の足跡が空白になっており、詩人・崔華國を検証するため研究していきたい」と話した。
 崔さんは大正4年(1915)韓国生まれ、日韓で新聞記者として活躍し、映画「ここに泉あり」を見て感動し、昭和32年に本町に喫茶店あすなろを開業し後に鞘町に移転した。あすなろが高崎の文化に与えた影響は多くの市民の知るところになっている。昭和57年(1982)にあすなろが閉店。昭和60年(1985)、70歳でH氏賞受賞。平成9年(1997)3月に82歳で永眠した。