国内最大級の培養槽。バイオ医薬原液製造設備が竣工
(2014年4月8日)
8日に協和発酵キリン高崎工場
バイオ技術で医薬品を製造する協和発酵キリン株式会社高崎工場に、バイオ医薬原薬製造設備「HA4棟」が完成し、8日に竣工式が行われた。
協和発酵キリン株式会社ではがん、腎、免疫・アレルギー疾患を研究開発の重点として医薬品を生産し、欧州、米国、中国にグローバル展開している。高崎は同社の拠点工場で、バイオ生産技術研究所も併設されている。
竣工したHA4棟は、4階建て延床面積3892平米。投資額は約60億円。日本、米国、欧州の医薬品等の製造品質管理基準・三極GMPに適合した施設。
この設備には、国内最大級1万2000リットルの組換え動物細胞の培養設備と大型カラムが設置され、これまで同社が培ってきた製造技術をフル活用し、大量で安定的な製造を実現する。竣工後に稼働を開始し、2016年6月までに本格稼働させていきたい考え。新薬の製造を予定し、生命に関わるような病気に関わる医薬品を生産していくという。
同社によれば、静岡県の同社富士工場で製造している製品を高崎工場に移管し、移管後に富士工場を閉鎖する。
協和発酵キリン株式会社の花井陳雄社長は「HA4棟は成長の大きな力になり、世界の病気で苦しむ人に笑顔を届けられるよう努めたい。高崎はバイオ医薬品の拠点であり能力を高めていきたい。群馬県のがん治療技術地域活性化総合特区にも貢献したい」と話している。また花井社長は「高崎にはキリンビールの時代から工場があり、優秀な人材が多い。群馬県、高崎市の支援が我々のモチベーションになっている」と高崎を評価した。
富岡市長は「新しい設備が高崎工場に完成し、高崎市としてもとてもありがたい。高崎市には医薬品や食品の工場が集積しており、相乗効果で新たな企業誘致にもつながる」と話している。