妻・母・企業人-3つの顔に子どもがくれた合格点!

(2016年05月30日)

株式会社 セイモー

●いつも両親の働く姿が
 貴江さんが物心ついた時には、いつも両親の懸命に働く姿があった。㈱セイモーは昭和38年、東京電力の保守業務で創業、当時は父が自転車の荷台に電気メーターを入れたミカン箱をくくりつけ各戸を訪問。工事のため停電を知らせるチラシを何千枚も配るのを貴江さんも手伝った。電柱の配線を頼りに停電する家を見極め、チラシを投函していく母の眼力は「神業」に見えた。
 二人姉妹で留守番も多く、寂しい思いをしたという貴江さんは今、常務取締役として、会長の父、社長の姉と共に経営を担う。東京電力の委託業務の他、電化リフォーム、太陽光発電設備工事、一般電気設備工事、交通信号機工事など業務は多岐にわたっている。
 22歳の時、家業の総務・経理として入社した貴江さん。38歳で経理部長から業務を引き継いだ際に力不足を感じ、各種セミナーに積極的に参加した。「改善すべき所が見えてきて、家族的だった経営を改革しました。例えば60台もの車両の修理についても、予算立てをして計画的に行う仕組みを作り、会社が同じ目標に向けて動くようになりました」と振り返る。
 
●「おふくろのこと、尊敬してる」「ママはキラキラしてるよ」
 5年前から高崎女性経営者研究会(JKK)に所属し、今年、会長職を引き受けた。「女性ならではの悩みを相談し合えて心強い。学びを会社に反映し、変化を目の当たりにするのは楽しい」と向上心を持って取り組んでいる。一方で、家庭との両立に悩み、「母、妻、仕事のどれも中途半端ではないか」と感じていたという。しかし二人の子ども達から思いがけない言葉をもらった。長男が大学生になった時「おふくろのこと、尊敬してる」と言われ、長女からも「ママはキラキラしてるよ」と真っ直ぐな眼差しを向けられた。「やってきてよかった」と報われた思いだった。
 大学に進学した子ども達には、セイモーでアルバイトさせた。「創業者の祖父の大きさと従業員、会社あっての自分達であること、お金を稼ぐ大変さを知ってほしい」とトイレ掃除から経験させた。スタッフも温かく受け入れ、育ててくれたことに感謝する。「家に帰っても娘が私を常務!お祖父ちゃんのことを会長!と呼んだときは大笑いでした」と温かい家庭像が浮かび上がる。
 「80人の従業員がここで働いてよかった、そんな風に思えるようにしたい」貴江さんはこれからも、積極果敢に挑戦していく。
 

佐藤 貴江さん

常務取締役 佐藤 貴江
高崎市上並榎町113-3

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