依頼者と寄り添い全力を尽くす弁護士
(2020年12月31日)
弁護士 木村仁美さん
「私のお客様は離婚相談などで悩む女性の割合が高いです」と話すのは、弁護士の木村仁美さん。夫の辻拓一郎弁護士と共同で「つじきむら法律事務所」を2019年1月に立ち上げた。
独立するまでの14年間、木村さんは高崎の法律事務所で中小企業からの相談や、離婚、相続などの家事事件、交通事故など幅広いフィールドで活躍した。
弁護士全体に占める女性の割合は2割弱(内閣府男女共同参画局『令和2年版男女共同参画白書』)。数少ない女性弁護士ということもあり、DVやモラル・ハラスメントに悩み、相談に訪れる女性も少なくない。依頼者のほとんどは法律事務所に来ることは初めてで、緊張や不安を和らげるため、木村さんは親しみやすさや分かりやすさを大切にした丁寧な説明を心がけている。また、依頼者が連絡をとりやすいよう、電話やEメール以外にも、特に若い依頼者にはLINEなども使って応対する。
法曹の仕事を志したのは高校生の頃、友人と性犯罪の刑事裁判を傍聴したことがきっかけだ。裁判長による判決を言い渡した後の説諭(悪事をしないよう被告人に諭すこと)を聞き“犯罪を無くす”、“人の更生に役立つ仕事がしたい”と思ったそうだ。そして、刑事事件だけでなく、生活の様々な場面で人を助ける、弁護士の道に進んだ。
木村さんは企業の顧問弁護士として、契約書のチェックや消費者から企業へのクレームにも対応している。
さらに最近では新たな提案として「従業員の方にも気軽に相談してほしいです」と経営者に呼びかけるようになった。すると、経営者が把握していない疑問や不安点について相談が頻繁に来るようになった。「トラブルを未然に防ぎ、従業員のストレスを減らすことに非常に有効です」とうれしい手ごたえを感じている。
独立後も忙しい日々は続き、常時数十件の案件を抱えている。独立前と違い、今はすべての仕事が自分に直接依頼される。依頼人の力になりたい、という気持ちがさらに強くなったという。「裁判では証拠の有無などもあり、必ず勝てるとは限りません。ですが、お客様と密に連絡を取り合って、できる限りのことはしたね、と満足してもらえるような仕事を続けていきたいと考えています」と話す木村さんは、今日も献身的に働いている。
企業経営者などを除き、日常的に弁護士に相談するケースはまれだ。そんな現状に木村さんはもっと日常的に弁護士を頼ってくれてもいいと話す。「行きつけの飲食店の方から“家賃を上げられちゃって…”という話を聞いたことがありました。本来、大家さんからの一方的な値上げには必ずしも応じる必要はありません。日常でちょっと困ったとき、弁護士に相談してほしいです」。
つじきむら法律事務所
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高崎商工会議所『商工たかさき』2020年12月号