世界中の心臓と専門医をつなぐ
(2019年08月31日)
株式会社コルシー
『心電図遠隔判読サービス』という新たな市場の開拓に挑む㈱コルシー。社長の堀口航平さんは、「これだけIT技術が進んでいるにもかかわらず、心電図はいまだに紙に印字されたものを医師が判読しています。専門医のいない医療機関や、医師の所見を入力する手間が負担という医療機関もあります」と、こうした問題の解決こそがビジネスチャンスと、2018年1月に起業した。
医療機関から紙で送られてくる心電図をスキャン・データ化し、登録の循環器内科専門医に送信。自社開発の「コルシステム」を使い、医師はタブレットで受け取った心電図を判読、判定結果をインプットして迅速に返信する。現在手がけている心電図の判読件数は月平均約2万件となっている。
マーケットが未開拓で、本格的にビジネス展開をしている競合がいない今がチャンスと、顧客開拓と登録専門医のネットワークの拡大に意欲を燃やす。
人生の転機となったビジネスの着想は、現在代表契約医師を務めている循環器内科専門医の佐野宏和さんとの出会いにあった。
当時、医療機関の医師採用支援などを行う都内の会社に勤め、医療機関への営業を行っていた堀口さん。一方、勤務医をしながら心電図を判読するアルバイトもやっていた佐野さん。二人は堀口さんの友人が経営する行きつけの美容室が取り持つ縁で出会い、ビジネスの構想で意気投合した。
「最後に背中を押されたのは“今アナログで使われているものをデータ化し効率的に管理できるITサービスなら広く支持を得られる”という名刺管理アプリを提供する経営者の言葉」と話す堀口さん。進みたい道が明確になった後は、退職・Uターン・起業と、時が目まぐるしく駆け抜けた。
かつて本町3丁目にあった高崎初のスーパーマーケット『高崎フードセンター』を経営していたのが実家。堀口さんは小学校中学年の頃、買い物をしたお年寄りの品物を家に届ける手伝いをし、商店街の抽選会では賞品を揃えたり、仕入・売上などの報告書も提出したりと周囲を驚かせた。
商売人のDNAに加え、賑やかだったまちなかで育ち可愛がられた記憶が、郷土への愛着や起業家魂を育んできた。
群馬の地から次代を担う起業家を発掘・奨励するプロジェクト『GIA群馬イノベーションアワード2018』。堀口さんは、創業5年未満の起業家を対象としたスタートアップ部門のファイナリストに選出された。IT技術を活用すれば、グローバルなビジネス展開も可能。「世界中の心臓と専門医をつなぐ」をテーマに邁進していく。
企業概要
代表取締役社長
堀口 航平さん
住所:高崎市双葉町11-11
かなさくらビル3F
TEL:027-395-0298