畳に癒される暮らしを提案
(2019年08月31日)
上原インテリア
一級畳製作技能士 上原正行さん
日本の風土に合った伝統的な床材として1300年もの歴史がある畳。室内の湿度を一定に保ち、抗菌効果も高い。化学物質を吸着・分解。鎮静効果やストレス軽減効果、集中力の持続等々、素材のイグサには優れた特質がある。さらに、畳の芯となる畳床の素材も工夫され機能性もアップ。近年、優れたデザイン性が魅力の「縁無し畳」が、畳需要の復活を牽引している。ベビー誕生を機に床を見直し、畳スペースを設ける家庭も少なくないようだ。
畳のサイズや厚さは、部屋により様々で、畳作りは採寸から始まるオーダーメイド。特に、縁無し畳は製作の難易度が高く、1ミリの精度が求められる。
だからこそ、厚生労働大臣認定「一級畳製作技能士」資格がものをいう。8年以上の実務経験と、全て手作業で畳を作り、スペースにぴったりと敷き込む高い精度が求められる実技試験の合格者に与えられる。上原インテリアでは2代目の五十六さんと3代目の正行さんが取得している。
「畳屋は昔から“職商人”と呼ばれてきました。畳を作るだけではなく、お客様のニーズに寄り添い、満足を追求する営業マンの要素も必要です」と話す。
同店の創業は明治43年4月。今年で109年目を迎える老舗だ。3代目を担う正行さんは、ディスプレーを工夫したショールームから畳の魅力を発信。「お客様の笑顔が力になります」と、伝統の技と知識を次代につなぐ若き畳職人として活躍中だ。
国産イグサの95%を生産する熊本県。十分な肥料でのびのび育ったイグサは残留農薬の心配もなく良質。これを丁寧に低温乾燥して作った畳表は、耐久性に優れ加工しやすいのが特徴。こうした素材の良さを見極めるのも畳職人の仕事だ。
同店では、畳を身近に感じられる小物の製造・販売も行っている。『畳太郎』のブランド名で、ブックカバーや名刺入れ、コースター、敷物などがある。
企業概要
住所:高崎市片岡町2-5-5
TEL:027-323-7419
https://uehara-interior.com
業種:畳工事とふすま、障子、カーテン、カーペット等の内装工事
高崎商工会議所「商工たかさき」2019年6月号