家庭の食卓に欠かせない『おかず屋さん』

株式会社田村屋

(2014年6月)



●惣菜ひとすじ90年
 大正14年に創業した㈱田村屋は、当初は漬物や煮豆、佃煮の行商としてスタートし、昭和に入ると中央銀座の一角に惣菜店を構えた。戦争直後の物資不足による休業状態、百貨店・スーパーとの取引による卸売への転換、その後の大手取引先の倒産など、同社が歩んだ道筋は順風満帆ではなかったが、荒波を乗り越えながらも歴代社長たちの苦労の積み重ねで、着実に事業を成長させていった。
 5月に開催された「創業90周年記念 感謝の集い」には、地域になくてはならない企業であることを示すかのように、200名を超える関係者や行政機関が駆けつけ同社を祝った。  

●多様な〝おふくろの味〟を網羅
 地域に根差した営業を続けてきた田村屋は『街のおかず屋さん』として市民に深く親しまれてきた。現在では多品種に及ぶ惣菜を24時間365日体制で生産しており、県内を中心とした百貨店やスーパー、小売店へと卸している。〝おふくろの味〟にこだわった惣菜は懐かしくて素朴な味わいが楽しめる。
 生活スタイルが多様化し嗜好やニーズは多岐にわたるため、生産している惣菜メニューは約200種類にも及ぶという。しかも毎週のように商品ラインナップが入れ替わり、日々新メニューの開発が進められている。パッケージングについても世帯あたりの家族数の減少を踏まえ、容量を抑えた「食べきりサイズ」の商品を設け、単身高齢世帯などに人気のようだ。
 今後はパン食の普及に合わせて、パンに合う惣菜メニューの開発も視野に入れている。

●家族団らんの一助に
 共働き世帯の増加や女性の社会進出、飲食店の充実などで、各家庭で食事をする機会も減少している。「おふくろの味を届けるということは、母親の役割の一端を担うということ。惣菜は種類も多く、手軽に食事の準備ができます。家庭で食卓を囲むことの喜びと大切さを再認識してもらう、私達の商品でそのお手伝いができれば」と5代目の遠藤清高社長は優しい笑顔を見せる。
 消費者である視点に立った心遣いと、時代に合わせた柔軟さこそが、90年続く老舗企業の下支えになっている。

株式会社田村屋

代表取締役社長:遠藤 清高
住所:高崎市八幡原町442
TEL:027-346-4555(代)
URL:http://tamuraya.co.jp/