景観が高崎の“思い”を未来につなぐ(1)
(2018年11月30日)
高崎は都市と自然、田園によって形成される豊かな景観を持っている。高崎市の多彩な都市景観は、これまで先人たちが意思決定してきたまちづくりの姿を示すとともに、これから高崎市がどのような都市をめざしていくのか、その“思い”が表われている。
景観が都市の価値を高める
高崎駅周辺のオフィス街、城下町と商都高崎の歴史や文化を伝える中心市街地、産業力の象徴となる工業地帯、広大で豊かな榛名山を望む田園など、高崎の景観は、来訪者がまちに感じる都市イメージを高め、同時に高崎に暮らし、働き、学ぶ人たちが高崎への愛着と誇りを高めるものとなっている。
計画的に整然と配置されたまちなみ、緑や水があふれる景観、歴史や文化を伝えるまちなみとともに、繁華街や下町界隈のにぎわいも高崎の都市景観の重要な要素となっている。様々な表情を持つ都市景観が高崎の魅力となっている。
高崎駅周辺は、来街者の目に触れる機会が多く、高崎の顔として風格と洗練された都市景観が形成されている。
中心市街地では高崎城下や中山道の歴史・文化を伝える伝統的な建物が景観に深みを与えている。城址のお堀や長野堰により、水や緑が豊かな潤いのある景観を形成している。
中心市街地の商店街、繁華街には多くの人が集まり、にぎわいと活気のある景観が特徴となっている。
都市の輪郭と都市イメージ
空と都市の境界となる都市の建築物の輪郭、山や丘陵の稜線は「スカイライン」と言われている。国内外の国際都市などでは超高層ビル群が林立するスカイラインが迫力ある景観を演出している。
すばらしい都市景観を創出するために
高崎市は、国の法制度に先駆けて景観行政に取り組んできた経緯がある。昭和61年に、高崎駅東口の家電量販店の派手な外装色彩の改善に取り組んだことが全国的に注目された。有識者による都市景観懇話会を発足させ、平成5年に都市景観条例を制定、6年に都市景観形成基本計画、7年に「たかさき都市景観賞」を創設した。平成18年に景観行政団体に移行し、景観計画を定め、法に基づく施策を実施できるようになった。高崎市は全市域を景観計画区域と定め、地域別に景観形成の方針を定めるなど、良好な景観形成に取り組んでいる。
平成20年に「高崎駅東口駅前広告物活用地区」指定、22年に「高崎市景観色彩ガイドライン」を策定した。このガイドラインは用途地域に即した色を建造物に使ってもらうもので、色彩基準の尺度を数値化した「マンセル表色系」によって示されている。
平成23年に高崎市が中核市に移行したことで群馬県から屋外広告物に関する事務が移管された。全国的に屋外広告物は違反が多い状況だが、高崎市では、高崎渋川線バイパスと高崎駅東口線を重点路線と定め、違反是正に取り組んでいる。
平成25年に地域に残る歴史的景観を保全するための「歴史的景観建造物登録制度」を創設し、市民の保存・活用が進んでいる。現在94件が登録され、地域のランドマークとして存続がはかられている。