金融機関のビジネスサポート(3)
(2021年09月29日)
東和銀行高崎支店
顧客が事業に専念するための真の資金繰り支援
東和銀行の企業サポートの根幹となる「真の資金繰り支援」、「お客様応援活動」について、高崎支店の塚越幸彦執行役員高崎支店長、佐藤洋平副支店長に聞いた。
「真の資金繰り支援」と「お客様応援活動」
経営者は営業や現業の先頭で汗を流すとともに、一方で会社の資金繰りが頭から離れず、お金の悩みが尽きない。締日を前に収支を頭の中でシミュレーションして、資金繰りに奔走することもあるのではないだろうか。
東和銀行の「真の資金繰り支援」は、企業が資金繰りを気にせず、事業に専念できる環境づくりをめざしている。
東和銀行は、金融機関と顧客の信頼関係による「リレーションシップバンキング=地域密着型金融」の実践・強化のため、「靴底を減らす活動」「雨でも傘をさし続ける銀行」「謙虚さのDNAを忘れない銀行」をモットーに、「真の資金繰り支援」「TOWAのお客様応援活動」を行っている。
コロナ禍で経営や資金繰りの影響を受けている事業者のため、同行の行員が文字通り靴底を減らし、伴走型支援に取り組んできた。高崎支店の佐藤副支店長は「地域経済の持続的な発展に貢献するのが当行の役割」と話す。
コロナ禍に伴う実質無担保、無利子融資(ゼロゼロ融資)によって、中小企業の資金繰り状況は一時的に落ち着いていると佐藤副支店長は感じている。
コロナ禍の影響は依然として厳しい状況にあり、ゼロゼロ融資とはいえ借入金となるので、返済は企業の新たな経営負担になりかねない。そこで東和銀行は令和2年10月に、コロナ禍においてお客様が資金繰りを気にせず本業に専念できる環境づくりを目的とした伴走型支援「真の資金繰り支援」を開始した。
「真の資金繰り支援」とは
「真の資金繰り支援」では、東和銀行と経営者が協働で年間の資金繰り表を作成し、キャッシュフローの見える化と年間ベースでの資金繰り支援を行う。状況に応じたタイムリーな資金繰り支援によって、経営者が「来月の資金が足りない」とあわてずにすむ。顧客企業に寄り添って資金繰りを支えることで、企業は事業に専念できる。資金調達に費やす時間と労力を他の業務に回すことができるのがメリットで、経営者の心労やストレスの軽減につながる。
年間資金繰り表の作成作業によって、見えてくる課題・ニーズに対して、解決をはかるための販路拡大や経費削減、専門人材紹介、事業承継などの本業支援を行う。「真の資金繰り支援」と「本業支援」を一体的に取り組むことによって、顧客企業の事業継続、事業発展につながると東和銀行は考えている。
顧客との信頼関係で発展
本業支援では、同行内や提携機関と連携し、販路拡大やビジネスパートナー探しのため、地元企業同士、上場企業や大手バイヤーとのビジネスマッチング、北関東3行連携による商談会の開催(令和2年・3年は中止)を行っている。
令和2年度下期における年間の資金繰り表作成先は2,095先、本業支援の取り組み先は2,616件となっており、多くの企業が活用している。
この「本業支援」のほか、「経営改善・事業再生支援」では、貸し出し条件を変更した顧客に対する経営改善計画の策定支援を行い、高い改善実績を示しており伴走型支援の成果が表れている。「資産形成支援」では、顧客に対して「長期」「分散」「積立」を基本とした中長期的な資産形成の提案を行っている。
「年間の資金繰り計画で見えてくる課題・ニーズに対して、お客様と課題の原因・改善策を共有できます。その課題解決に向けて支援を行うことで、お客様の経営の安定と発展、企業価値の向上につながります。高崎の大事な企業を守るのが私たちの役割であり、本業支援を通じてお客様との信頼関係を築くことで、私どものビジネスチャンスも広がると考えています」と佐藤副支店長は話している。
東和新生会ビジネス交流会
取引先のお客様で組織する「東和新生会」が主催する「東和新生会ビジネス交流会」をこれまで16回開催し、広域連携協定を結ぶ筑波銀行、栃木銀行の取引先企業も含めて200社以上が出展し好評となっている。
第17回は、令和2年11月にGメッセ群馬に会場を移して盛大に開催する予定だったがコロナ禍のために中止。今年も11月にGメッセ群馬で開催を計画していたが全国的な感染拡大により、中止となっている。
令和3年2月~3月、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、「第1回Webビジネス交流会」を開催し、大手企業との個別商談会や大学との共同研究相談をウェブ上で開催し、延べ92社が参加した。
株式会社東和銀行
江原洋代表取締役頭取
本店:前橋市本町2-12-6
電話:027-234-1000
高崎支店
高崎市岩押町20-12
電話:027-322-2351
店舗:94店舗
(群馬県38、埼玉県42、東京都8、栃木県3他)
高崎商工会議所「商工たかさき」 2021年9月号