販路拡大の一手を打つ小規模企業(2)

(2021年07月30日)

持続化補助金を経営に生かす
ミュージックシティプロモーション株式会社


音楽・映像の収録配信を計画

数少ないエンターテインメント企業

音楽でまちを盛り上げていこうと高崎市を拠点に活動するプロの音楽集団「タケオ・リアル&タカサキシティバンド」。2011年に結成し、イベントなどで欠かせない存在となっている。年間の公演数は数百回に及び、楽曲制作など活動の幅が広がったことからマネジメントが重要となり、2019年にミュージックシティプロモーション株式会社を設立した。清塚岳男さんはタケオ・リアルさんと紹介したほうがわかりやすいだろう。

 

タケオ・リアル&タカサキシティバンドはファンも幅広く、高崎ブランド、群馬ブランドの音楽エンターテインメントを発信している。

 

ミュージックシティプロモーション株式会社の事業内容は、イベントやパーティなどの出張演奏、飲食店でのライブ演奏、イベントの企画コーディネート、貸しスタジオ・楽器レッスン、音楽文化の啓蒙などで、北関東では類を見ない屈指の音楽エンターテインメント事業を展開している。

 

オンライン配信によるビジネス展開

昨年来、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、イベント、パーティ・宴会を始め、人が集まる催しが中止となってきた。多くの音楽家が演奏活動によって収益を得ることは困難となり、音楽や芸能のインターネット配信が盛んに行われるようになった。

 

清塚社長は、品質の高いライブ配信によるビジネス展開を考え、持続化補助金を活用した。スタジオの改装と収録・配信機器を導入し、クオリティの高い配信を可能とするとともに、ITを活用した収益モデルに挑戦する考えだ。

 

配信事業では、タカサキシティバンドの演奏にとどまらず、多くのミュージシャンやクリエイター、企業の商品・サービス、セミナーなど、幅広い展開を計画している。楽器のレッスン事業もオンライン化すれば、レッスンスタジオの収容人数に関わらず、多くの生徒に受講してもらうことができる。また導入した機材を活用し、スタジオでの演奏の録画、編集、ナレーションの吹込みなど、非対面型のコンテンツ産業の育成につなげていくこともできそうだ。

 

事業計画の重要性を認識

現在、感染防止対策を徹底した演奏会やイベントの開催が進み、タカサキシティバンドの活動機会も徐々に増えてきているそうだ。

 

コロナ禍の前は、演奏に追われる毎日だったという。「以前は仕事をがむしゃらにこなし、ライブが途切れるとやっていけないのではないかと考えていました。コロナ禍でライブが無くなり、考える時間ができました」と振り返る。持続化補助金の申請を通じて清塚社長は事業計画の重要性を認識したという。「受注数の増減に一喜一憂するのではなく、長期的なビジョンに基づいて考えていくことの重要性に気付きました。事業のクオリティを上げるための準備期間になったと思います」と話している。

 

補助金活用のノウハウを共有したい

清塚社長は、持続化補助金を活用した経験から、多くのミュージシャン・クリエイターに事業計画の重要性や、補助金・助成金の活用を知ってほしいと考え始めたという。「これまで苦労してきたことが、補助金の活用により、幅広く効果的に実施できる」と実感したそうだ。

 

持続化補助金は、経済産業省が所管する事業だが、芸術関係では、新型コロナウイルスの感染拡大により、文化芸術活動の自粛を余儀なくされた文化芸術関係団体に対して文化庁の支援事業がある。

 

「文化庁や自治体の補助制度に気付けたことも大きな成果でした。ミュージシャン、アーティスト、クリエイターといった人たちは、自分たちが使える補助金などの情報が届いていないようにも思います。今回の申請で得たノウハウを多くの人たちと共有できるよう、今後はコンサルティングも手掛けていきたいです」と話している。

 

 

ミュージックシティプロモーション株式会社

代表取締役  清塚 岳男さん

(タケオ・リアルさん)

高崎市柳川町40-4

TEL:027-395-0241

高崎商工会議所「商工たかさき」2021年7月号

 

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