ウィズコロナ・アフターコロナの企業づくり(1)
(2021年07月30日)
逆境の中にビジネスチャンス
コロナ禍の影響が長期化しているが、切り札と考えられてきた新型コロナウイルスワクチンの接種も本格化し、コロナ対策も新たな局面に入っている。ウィズコロナ・アフターコロナのビジネス創造、ビジネス転換に挑戦し、新たな可能性、新たな企業戦略を考えている企業も多いのではないだろうか。
ウィズコロナ・アフターコロナの企業目標
コロナ禍の影響により売上の落ち込み・低迷が長期化し、多くの企業が業務の見直しやムダの削減に取り組んでいる。経済が元通りに回復するのは時間がかかる、コロナの影響は様々なかたちで残ると言われている。
「逆境の中にビジネスチャンスがある」「ピンチをチャンスに変える」と言われ、コロナ禍による市場変化、新ビジネスや成長分野について指摘されている。国もコロナ収束後の社会変化、新しい生活様式を見据えたイノベーションに期待している。
コロナ禍の状況に予断はできないが、コロナを克服する切り札とされてきたワクチン接種が本格的に動き出し、様々な見方があるものの、今後の状況に期待や展望が持てるようになりそうだ。気持ちも新たに、アフターコロナの企業目標に挑戦する契機になるのではないだろうか。
コロナ以前からのリスクとコロナ禍による変化
経済産業省の「ウィズ・ポストコロナ時代における地域経済産業政策の検討(令和2年12月)」などによれば、コロナ禍以前からの経営課題では、人口減少と少子高齢化の進展、中小企業のデジタル化への遅れ、経営者の高齢化の進展などが指摘されている。
こうした課題に加え、コロナ禍による変化が浮き彫りとなり、リモートワークなどデジタル技術を活用した新たな働き方、サプライチェーンの強靱化に向けた見直し(国産化を再考)、接触回避の促進(生活や企業経営におけるデジタル化の促進)などが挙げられている。
国は、コロナ禍で切迫した企業経営を支援するためのメニューを示している。具体的には、事業継続のための運転資金、経済社会の変化「新たな日常」対応のための事業再構築、緊急事態宣言等の影響による売上減への支援金、事業の承継や経営資源の引継ぎ、コロナに対応した生産性向上、サプライチェーンの強靱化、デジタル化・DXの取組み、コロナ禍での雇用維持などとなっており、業種別の支援策も盛り込まれている。
高崎商工会議所「商工たかさき」2021年6月号