コロナ対応で気が付いたこと(2)
(2020年09月29日)
スーパーまるおか 顧客の声でオンラインショップ
外出自粛で「届けてほしい」
棟高町のスーパーまるおかは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で外出を控えたいお客様や、頻繁に来店できないお客様の声を受け、9月から試験的にオンラインショップを開始した。
外出自粛や都道府県をまたぐ移動の自粛により、「お店に行けないので商品を送ってほしい」という需要が増え、インターネットのオンラインショップの開設につながったという。当初はネット販売で取り扱う商品を絞り、動向や顧客ニーズを見ていきたいという。
オンラインショップの商品は増田和牛ハンバーグ、まるおか揚げ餅、特製ぎょうざ、マヨネーズ・ドレッシングなどとなっている。
おうち時間でスーパー需要増に
スーパーまるおかは「食の安心・安全」をモットーに、厳選した食品を販売している。丸岡守社長の食への哲学を貫いた品揃え、店づくりが顧客を引き付ける。2015年にイオンモール高崎に隣接した現在地に移転した。
新型コロナウイルスの影響で、一時期は来店客が減少したが、緊急事態宣言による「おうち時間」で、家庭での食品需要が増え、客足は徐々に回復した。新型コロナウイルス感染拡大は、人々に「生活」を考えさせるきっかけとなり、自宅で料理をする機会が増え、健康と安心安全に取り組むスーパーまるおかの理念に共感が広がった。
感染防止対策で顧客から好評価
丸岡史明店長は「最初の頃は、新型コロナウイルスの影響がこれほど大きく、深刻化するとは想像できませんでした」と話す。
まず店舗の飛沫飛散防止対策としてレジの周りにビニール幕を設置したり、店舗の入り口に消毒液を置いたりするなど、基本となる対策を徹底。コロナ対応のために店内スタッフを増やす必要もあったそうだ。
店舗が混雑する日は、密を避けるため、入場制限を行っている。同店は日曜定休のため、土曜日が混雑するそうだ。入場制限は、来店客からも好評価を得ている。
混雑して密を心配しながら買い物をするよりも、多少の時間を待ってから、店内で安心して買い物をしたいと顧客は考えている。
レジのビニール幕やスタッフのマスク着用で「声が聞こえにくい」という顧客の声などもあるそうだが「コロナ対応してくれてありがとう、ご苦労様」と言われると、スタッフの苦労が伝わったと実感するそうだ。
イベントからネット発信へ
スーパーまるおかでは、これまで料理教室や講演会を開いて、お客様に食の魅力を伝えてきた。生マグロの解体実演販売や試食販売も行っていたが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、人が集まるイベントは全て中止することを決めた。
スーパーまるおかは折りこみチラシは行わない方針で、最近ではお客様への情報発信として、インターネットのSNSを活用している。予定していたイベントを中止にしたので、発信する情報を工夫する必要があった。
そこで商品の魅力紹介に力を入れ、イベントの中止で空いたマンパワーもSNSの情報発信に振り向け、情報発信の頻度も上げた。一方、客側も「おうち時間」でインターネットを閲覧する機会が増え「普段よりもおいしい物を食べたい」「料理にこだわりたい」というニーズが高まっていたので、フォロワーが増加。宣伝効果も高まり、来店客数と売上の増加に結び付いた。
インターネットによる発信効果と外出控えのお客様ニーズをマッチングさせ、インターネットの販売サイトにつながった。
おうち時間で品薄商品も
新型コロナウイルスの影響による「巣ごもり消費」で、一部商品が品切れ、品薄のニュースもあった。スーパーまるおかでも、粉物などが品薄になった時期があったそうだ。パンケーキ粉などの製菓材料が品切れとなったそうで、外出自粛により、家庭でお菓子作りを楽しむ人が増えた結果と言えるだろう。
またすぐに食べられるインスタント麺も大量に購入されて品切れとなり、当時、誰もが感じていた先の見えない不安感を反映した。
また今年は梅雨が長かったので、農産物への影響が心配だったそうだ。
店舗のコラボも実現
外出自粛の影響を受けていた飲食店とのコラボレーションを4月下旬から取り組み、現在も継続している。「外食産業が困っている状況の中で、おいしいものをお客様に知ってもらうために連携した」と丸岡店長は語る。
連携している店舗は、ラーメン、焼き肉、フレンチ、中華、カフェ、蕎麦など多彩で、プレミアム感のある品揃えとなっている。またお客様を紹介しあう結果となり、相乗効果も上がっているそうだ。
株式会社まるおか
丸岡 史明 店長
高崎市棟高町1174-1
電話:027-377-9977
https://www.e-maruoka.jp/
「美味しい物だけを売る」をモットーに、全国の食材を実際に自分たちが試食して仕入れています。スーパーまるおかにしかない食材を厳選していこうと、ぶれずに続けてきたことがお客様に評価されているのではないでしょうか。特に惣菜の需要が高まっているので、力を入れています。
お弁当の配達サービス、レジ袋有料化に伴うオリジナルトートバッグ(エコバッグ)の販売も行っています。
東日本大震災の計画停電の時は、スタッフと懐中電灯を持って営業しました。今回のコロナ禍も、スタッフと知恵を絞って乗り切っていきます。
高崎商工会議所「商工たかさき」2020年9月号