高経大教官有志が安保法案反対声明

(2015年08月7日)


賛同者募り政府に廃案を要求

  高崎経済大学の教官12人が連名で「安保関連法案に反対する高崎経済大学有志の声明」を8月5日付けで発表した。
  呼びかけ人は、経済学部6人、地域政策学部6人の、合わせて12人に教官で、8月12日まで専任教官を中心に賛同者を募り、13日以降、ウェブサイトで公開していく予定。
  発表した声明は以下の通り。

安保関連法案に反対する高崎経済大学有志の声明
  戦後70年を迎える今年、安倍政権は安全保障関連11法案(以下、安保関連法案)を通そうとしています。これは、歴代政府が日本国憲法第9条との関係上行使できないとしてきた集団的自衛権を、閣議決定という形で一方的に合憲とみなすという、昨年7月1日に行われた「解釈改憲」にもとづき、自衛隊の活動範囲を拡大させようとするものです。
  立憲主義とは、国民の合意に基づいて定められた憲法によって権力を縛るという原則ですが、これは幾多の過ちを反省した人類が、長年にわたり培ってきたものです。そのため日本国憲法は、「国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する」という「人類普遍の原理」を謳っています。したがって、国政はあくまで憲法上認められる範囲内で「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」の実現を目指さなければならないのです。
  立憲主義に基づくならば、現在の憲法の条文に問題があるかどうかは主権者である国民が判断します。このために、日本国憲法は改正条項を用意しているのです。しかし、安倍政権は、日本国憲法第9条の改正が多くの日本国民の反対によって実現できないということから、解釈改憲という手段に訴えました。これは、国民主権および立憲主義を蔑ろにし、法的安定性を著しく損なうものです。
  このため、大多数の憲法学者はもちろんのこと、歴代内閣の法解釈の一貫性と安定性を保ってきた内閣法制局の元長官でさえも解釈改憲という行為を強く批判し、今回の安保関連法案は違憲であると指摘しています。さらに、世論調査でも反対が多数を占め、全国で反対の声があげられるとともに、「安全保障法案に反対する学者の会」の賛同者は3万9000人を超え、各地の大学でも有志が反対の声をあげています。それにもかかわらず、去る7月16日に衆議院で強行採決が行われました。
  高崎経済大学は学則で「真理と平和を希求する人間の育成を図」ることをその目的として掲げています。私たち高崎経済大学有志は教育者・研究者として、正統な手続きを経ず、学問の真理を無視した解釈改憲による集団的自衛権行使を、容認することはできません。ここに、安保関連法案の廃案を政府に対して強く求めます。

2015年8月5日 高崎経済大学有志

高崎の都市力 最新記事

  • 株式会社環境浄化研究所
  • シネマテークたかさき
  • ラジオ高崎
  • 高崎市
  • 広告掲載募集中