上野三碑「世界の記憶」記念式典

(2018年03月12日)


アジア交流と平和の役割

上野三碑(山上碑・多胡碑・金井沢碑)のユネスコ「世界の記憶」登録記念式典が11日に群馬音楽センターで行われた。音楽センターロビーでは、雅楽の演奏や天平衣装の着付け体験、拓本体験、上野三碑商品の販売などがあり、来場者を楽しませた。

式典では、高崎出身の能楽師・下平克宏さんの能舞「海士(あま)」と製作中の新作能「上野三碑」から謡の一節が特別披露された。

式典では、上野三碑世界記憶遺産登録推進協議会の横島庄治会長、群馬県の大澤正明知事、高崎市の富岡賢治市長、同協議会副会長で高崎商工会議所の原浩一郎会頭が出席。同協議会名誉顧問の福田康夫元総理、下村博文元文部大臣、織田沢俊幸県議会議長、青栁隆高崎市議会議長が登壇した。

横島会長は「三碑を平和の礎、平和の風土記として、新しい役割をみなさんとともに果たしていきたい」、大澤知事は「高崎市や地元の関係者と協力し、国内外への発信に力を注ぎ、県民の皆様にふるさと群馬の誇りと愛着を感じていただけるよう取り組んでいきたい」、富岡市長は「上野三碑はゆっくり散歩しながら価値を見ていただくことが基本だと思っている。地元のボランティア会、若い世代の力添えをいただきながら、一味違った広報普及活動をやっていきたい」とあいさつした。

福田康夫元総理は、「世界的な遺産が高崎にあることの大切さを感じなければならない。日本人は平和を好む民族であり、いにしえから続くアジア交流を今後も続けていくことが必要。今回、日本と韓国との共同で朝鮮通信使も世界の記憶に指定された。私たちも交流に努めていく必要がある」と述べた。

ユネスコ世界の記憶登録認定書が、文部科学省・ユネスコ国内委員会の川端和明事務総長から伝達された。

記念講演として青栁正規・東京大学名誉教授(前文化庁長官)が、「世界の記憶事業の意義と上野三碑」を演題に講演。ユネスコ憲章と世界の記憶について述べ「時空を超えて自分のまちの歴史を知ることが郷土愛につながり、本当の愛国心となる。お互いを尊重することが心に平和の砦を築くことになる」とまとめた。

登録推進功労者として、横島会長。早川南氏(大学共同利用機関法人人間文化研究機構理事)、前澤和之氏(館林市史編さん専門委員)、佐藤信氏(東京大学大学院教授)が表彰された。

 

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