ヤマダ電機陸上部に選手ら7人移籍加入
(2017年04月14日)
日本一の企業に日本一の陸上部を
ヤマダ電機陸上競技部に5選手と監督らがモンテローザから移籍し、13日に高崎駅東口のヤマダ電機本社で移籍記者会見が行われた。
記者会見には、ヤマダ電機の桑名光正代表取締役COO、モンテローザ陸上部から移籍した田中宏昌トラック&フィールド監督、久保健司マネージャー、柏村亮太選手(ハンマー投げ)、増野元太選手(110mハードル)、札場大輝選手(同)、山﨑謙吾選手(400m)、桐山智衣選手(七種競技)が出席し、今後の抱負と意気込みを語った。
移籍に伴い、群馬県陸上競技連盟及び日本陸上競技連盟への登録名をヤマダ電機女子陸上競技部からヤマダ電機陸上競技部に名称変更され、中長距離の女子選手13人・森川賢一監督、トラック&フィールドの男女選手5人・田中宏昌監督の新体制が発足した。
会見で桑野社長は「選手の育成と社会貢献、地域貢献に取り組んでいきたい。ヤマダ電機陸上部として、東京オリンピックに向け全力でがんばっていきたい」、田中監督も「東京オリンピックに向けて選手を輩出できるようがんばっていきたい。今後の活躍に注目してほしい」と力強く語った。
移籍した選手らも、世界で活躍できる力を発揮し、東京オリンピック出場を目標に取り組んでいく決意を熱く語るとともに、陸上競技を通じて子どもたちに夢や体を動かす楽しさを伝えていきたいと地域交流への期待に笑顔を見せた。
●社会・地域貢献の理念が一致
ヤマダ電機女子陸上競技部は2004年にみずほ銀行から選手を引き継いで発足し、全日本実業団対抗女子駅伝大会など数々の大会で活躍するとともに、スポーツ振興、子どもたちへの教育支援など社会・地域貢献に積極的に取り組んできた。高崎市内ではヤマダ電機杯駅伝大会を浜川運動公園で毎年開催し、高崎市内を始め、群馬ダイヤモンドペガサスと連携し福島県の子どもたちも参加している。
モンテローザ陸上競技部は2003年に創部され、昨年夏に2017年3月末での廃部が発表された。田中監督は、所属選手が競技を継続できるよう、これまで各方面に移籍交渉を行っていた。ヤマダ電機・山田昇会長が東日本実業団連盟の会長をつとめ、田中監督も同連盟の理事であったことから、関係者を通じて、今年3月8日に選手の移籍を依頼した。社会・地域貢献や子どもたちのスポーツ振興に対する理念が共通していたことなどから、監督、選手の移籍が進められ、トラック&フィールド部門として7人の移籍が、同月17日に正式発表された。
女子長距離は吉岡町を拠点に活動しているが、トラック&フィールドは、選手の練習環境の激変を避けるためなど、モンテローザの時と同じ都内の日本大学グラウンドを中心に活動する。桑野社長は、今後、関係者や地元と相談し、群馬での練習環境づくりを視野に入れている。
●日本一の企業に日本一の陸上部に
子どもたちが目を輝かせる交流事業を
田中監督は、ヤマダ電機に移籍が決まったことについて「選手が陸上競技を続けられることができ、ほっとしている」と胸の内を明かす。山田会長にお願いをしてから約10日間で決まったことも驚きだったそうだ。
ヤマダ電機の業態を生かしたイベントも、田中監督は構想しているようだ。モンテローザ陸上部として昨年は5600人を対象にスポーツ教室を実施してきた実績もある。「選手のパフォーマンスを直接見ることが、子どもたちの目を輝かせる。群馬を拠点に全国に展開したい」と話し、これまであたためてきたアイデアを、これから実現していきたいという。「全国の店舗で子どもたちと30m競争をするのも楽しいのではないでしょうか」と、監督自身も目を輝かせている。
新しいチームづくりに取り組み「日本一の企業・ヤマダ電機の陸上部を日本一にしていきたい」と、田中監督は東京オリンピックとその先を見据えた展開に意欲を見せる。
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