20年ぶり観音山薪能

(2017年04月10日)


白衣大観音80年を顕彰

 観音山で20年ぶりとなる薪能が8日に行われ、約800人が幽玄の世界を楽しんだ。
 昭和61年(1986)に白衣大観音建立50周年記念として「たかさき薪能」が観音山カッパピア駐車場で開催された。雨天により音楽センターで開催されることもあったが、平成9年(1997)の第12回まで観音山駐車場を会場に開催されてきた。平成10年以降は、庁舎前広場の薪能、音楽センターで「ロウソク能」として行われた。
 今回の薪能は、昨年10月に白衣大観音が建立80周年を迎えたことを記念し、建立した井上保三郎の遺徳を顕彰する意義を込めた。観音山公園の芝生丘陵に能舞台が設営され、夕暮れとなった午後6時半頃に、第一中学校と新島学園の生徒による「火入れの儀」で開演。人間国宝・山本東次郎さんの狂言「茶壷」と高崎出身の能楽師下平克宏さんによる能「熊野(ゆや)」が演じられた。
 「熊野」は、春爛漫の清水寺を舞台に、桜花のもとで優美で妖艶な舞が披露される演目で、満開の桜に彩られた観音山に20年ぶりに帰ってきた薪能に、ふさわしい内容となった。
 主催するたかさき能(薪能)実行委員会の竹中隆実行委員長は「20年ぶりに観音山で薪能が開催でき、お客様に楽しんでもらえてとてもうれしい。今後の開催も考えていきたい」と話している。
 大規模な薪能・能の公演は、一過性のイベントとなることが多いが、江戸時代から高崎の文化に能が深く関わってきたことを継承し、30年以上にわたって市民によって活動が継続されている。実行委員会では、12月3日に群馬音楽センターで「第32回たかさき能」を開催する。

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