濃厚接触者の特定/高崎市はこれまでの方針を継続
(2022年01月25日)
新型コロナ対策
新型コロナウイルス感染症が急拡大し保健所業務が切迫したため、群馬県の山本一太知事は1月21日の記者会見で、これまで保健所が行っていた濃厚接触者の範囲特定や連絡を、感染者が所属する企業や学校、あるいは感染者自身が行うなどの方針を「積極的疫学調査の重点化」として発表した。
この方針に対し、高崎市は、保健所が濃厚接触者の特定を行うことが適切とし、従来通りに対応していく考えを22日に示した。
「積極的疫学調査」は、陽性者に対する感染経路や濃厚接触者を調査する目的で行われており、山本知事が示した変更点では、感染源を特定するための行動調査は、オミクロン株の特性から発症14日前から2日前に短縮し、保健所が行う濃厚接触者の調査対象範囲を重症化リスクの高い人に限定する。学校や企業で陽性者が発生した場合は、濃厚接触者の特定を保健所が行わず、その団体が接触者への対応や感染対策を行う。濃厚接触者が個人の場合は感染者自身が連絡し、更に診療検査外来の予約も連絡を受けた接触者自身が行い受診する。
高崎市は、濃厚接触者の範囲を学校、企業、団体、個人に委ねることは、組織や個人の思惑などによって、範囲がゆがめられる恐れがあるとし、濃厚接触者の特定は従来通りに高崎市保健所が実施していくことを発表した。
高崎市内の学校、企業、団体、個人で陽性者が発生した場合は高崎市保健所が濃厚接触者を特定し、PCR検査の実施を連絡する、検査で陰性の場合は保健所が健康観察を実施する。なお行動歴の調査期間については、オミクロン株の特性から発症2日前とする。
24日の高崎市議会教育福祉常任委員会で、高崎市は「判断のばらつきは適切ではないので保健所が行う。感染者が急増し負担が大きくなっているが部局をまたいだ応援体制をとっている」と保健所体制について説明した。
高崎市の富岡賢治市長は「これまで通り保健所が濃厚接触者の特定を行うことが適切と考え、従来通りの方針とした。保健所は厳しい業務状況であると思うが、感染拡大を防ぎ、市民の安心安全を守ることにつなげたい」とコメントしている。
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