職場環境改善事業を活用(1)

(2021年09月29日)

こんな補助金を待っていた!


 酷暑の職場環境の改善を支援

「職場環境改善事業補助金」は、工場や倉庫などの暑さ対策など、快適な環境で従業員が働ける職場づくりを行う市内事業者を支援する制度で令和2年度に創設された。

 

近年は、夏季の最高気温も40度超えとなり、工場内の作業環境の対策が重要となっている。中小零細では生産設備の整備が優先されがちであったため、この補助制度がきっかけとなって快適な職場環境づくりの進展が見られている。一方、人材不足が深刻化しており、この補助制度は従業者の定着や若い人たちに就職先として選んでもらえるような職場づくりに貢献している。

 

高額な施工費を半額補助

工場内は炉や動力など熱源となる設備があり、資材や製品の搬出入のため扉の開口が大きいなど、空調の効率化は課題もある。安全対策のため長袖やヘルメット着用が必要な作業もある。

 

工場の環境改善は、場内の状況に応じた対策が必要で、実施されている主な取り組みは、屋根の遮断熱塗装、大型換気扇、大型エアコン、スポットエアコンの設置などとなっている。工場内は天井が高く、建屋内が一室であることが多いので、空調設備は大容量となる。また電力など消費するエネルギーも大きい、場合によっては建屋の改修も必要となり、費用がかさんで高額となる。

 

「職場環境改善事業補助金」は他にない高崎市独自の制度で補助率2分の1、補助額は上限500万円となっており、1千万円規模の整備ができる。

初年度となった昨年は、当初予算1億円、9月補正予算1億4,500万円、計2億4,500万円の予算となった。事業実施の反響は大きく、高崎市役所には受付日の前日から申請者が並び、申請総数は132件となった。今年度も前日から申請者の列ができた。

この制度も「まちなか商店リニューアル助成金」と同様に、施工は高崎市内の業者に限っており、市内経済への波及効果も大きい。

「職場環境改善事業補助金」を活用し、工場等の環境整備に取組んだ会員企業の声を聞いた。

 

 

工場の猛暑対策は経営課題・心強い補助制度

 

高崎青年経営者協議会 関口 昌弘 理事長(株式会社昌進社長)、長井 宏幸 副理事長(株式会社長井精機社長)に聞いた。

私たち高崎青年経営者協議会と先輩組織の高崎青経工業クラブとの合同で、高崎市と情報交換する機会が定期的に設けられており、経営者の声を聴いていただいております。

近年、夏の暑さが過酷で、職場環境の改善が会員企業の大きな課題になっていますが、環境改善は費用がかかり、中小企業では後回しになりがちな取り組みです。

高崎市の職場環境改善事業補助金は、補助率2分の1、上限500万円となっており、1千万円規模の工事が500万円で行えることになります。費用の全額を自社で捻出するのはとても大変で、500万円の補助額は心強いです。この補助金を使えるなら職場改善に取り組もう、やってみようという意欲がわいてきます。

青経の仲間が導入した設備や導入効果を見せてもらいながら検討を進めることもできました。

申請受付の当日は行列ができましたが、経営者にとって、それだけ職場の暑さ・寒さ対策が切実な問題になっているということの表れではないでしょうか。

熱中症対策やコロナ対策では、青経専用のフェイスブックを立ち上げて意見交換し、会員企業に取り組んでもらうことができました。

青経は会員同士が本音で相談し合えるので、こんなにオープンな同業者の組織は珍しい。今回の補助金は他市の人たちから「高崎はいいね」とうらやましがられています。

青経は「経営者にして卒業する」ことが会の使命になっており、本音でぶつかって成長し合える組織づくりに取組んでいきます。

 

高崎商工会議所「商工たかさき」2021年5月号

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