自宅療養で県が健康観察センター開設へ
(2021年08月13日)
新たな療養方針
群馬県の山本一太知事は、新型コロナウイルス感染症患者が急増していることを踏まえ、患者の療養体制に自宅療養を加えた新方針を8月12日の記者会見で発表した。
山本知事は、新規感染者の急増に伴い、病床稼働率が先々週24・3%、先週が57・0%、会見前日の8月11日66・2%と短期間で急増している現状を踏まえ、自宅療養を新たに加えるなど運用方針を一部修正した。
変更点は2点で、1点目は重症化リスクが中程度の場合はこれまでの入院から、宿泊療養とする。2点目は無症状の内、重症化リスクが小さく、家庭内感染のおそれがない場合は、これまでの宿泊療養から、自宅療養とする。
群馬県では、これまで第三波、第四波で感染者が増えても自宅療養は行わず、宿泊療養か入院で対応してきた。
山本知事は「これまでの知見にもとづき、リスクの少ない一部の方について自宅療養をお願いする」と述べた。
限られたコロナ病床を有効に使うため、早期に症状が軽快した場合は宿泊療養や自宅療養に切り替えていくとした。
新方針の移行に向けて、県民不安を解消するため、県は健康観察センター(仮称)を県庁内に新設する。健康観察や療養指導に関する業務を保健所から集約し、症状が悪化した場合は、適切な医療に迅速に結びつける。
必要な人にはパルスオキシメーターを貸与、希望者に食料品・生活支援物資を配送する体制も整備する。DXを活用して、パルスオキシメーターなど療養者の情報を一元化し、効率化をはかる。
自宅療養の判断基準は、患者の状況によって判断する。重症化リスクは、基礎疾患の有無等も考慮して判断する。
新期感染者が増加している地域から健康観察センターの運用を開始する。保健所が行っている健康観察業務を同センターが行うことによって、保健所の業務増に対処する。
宿泊療養については、ホテル内で点滴を可能にし、医療体制を強化する。
一日200人の感染者が続いた場合、必要病床数は600床を超えるとされるが、新しい運用方針による試算では450床(県の現有数は470床)に抑えられるということだ。
先週8月6日の記者会見で、山本知事は中等症について「人生で一番苦しいと感じるレベルの症状」と述べ、一般の人が抱く病状のイメージと、医師の認識が大きくかけ離れていることを指摘し、より一層の感染防止対策を呼びかけた
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