宝物のような一瞬一瞬を撮る
(2020年12月31日)
シャロンゴスペルチャーチ高崎
専属カメラマン 浅川千恵さん
ヴィクトリア時代の英国大教会を再現した全国で唯一の「シャロンゴスペルチャーチ高崎」を舞台に、牧師や聖歌隊、オルガニスト、式場スタッフが一丸となって思い出に残る結婚式を執り行う。
「“アイ・ラブ・ユー”と、ゆっくり心の中でつぶやいてください」。リハーサルの時に新郎新婦にこう伝えて、“セレモニーキス”の撮影に必要な3秒を確保する。結婚式場の専属カメラマンならではのアドバイスだ。「先輩に教えてもらいました」と笑顔がチャーミングな浅川千恵さん。
アパレル業界に10年ほど勤務した後、カメラマンに転身し、この秋で丸3年となった。昨年は1年間に90組のウェディングの撮影を担当した。
元々軽量のカメラを手に旅に出かけ風景写真を撮るのが好きで、遠縁のおじいさんの形見だったキャノンの一眼レフを譲り受けたのを機に、カメラマンへの夢を膨らませた。そして、タイミングよく知人の後押しもあって、学生時代から憧れていた結婚式場の専属カメラマンになることができた。
バージンロードを歩く緊張感、牧師の前に立つ厳かな表情、フラワーシャワーの祝福を浴びて高揚する笑顔など、新郎新婦にとって一世一代の晴れ舞台。幸せな一瞬一瞬の風景を記録にとどめるため、何度もシミュレーションを重ねた位置取りで二人の姿をとらえてシャッターを押す。「先輩の補助または単独で担当する場合がありますが、一人の時は重責に不安を感じます」。心配性な一面は、用意周到な準備を怠らない長所につながっている。
浅川さんの涙のツボを刺激するのは、決まって花嫁の父の涙。毎回もらい泣きしてファインダーを一瞬曇らせる。また、式の前に花嫁衣裳を身にまとった新婦と初めて対面する“ファーストミート”で、新郎が感激の涙を流す姿にもグッとくるという。
こうしたドラマチックなシーンに満ちたウェディングは、プランナー、牧師、聖歌隊、介添人、ホールスタッフたちのチームワークに支えられており、浅川さんにとっても彼らとの連携は欠かせない。「アイコンタクトでタイミングをはかったり、お色直しの合間に撮影の時間をとってもらったりと、皆さんの協力が有難いです」と言う。
撮影した写真データをパソコン上でチェックするとき、無事にやり遂げた安堵感が充実感に変わっていく。
ザ・ジョージアンハウス1997
シャロンゴスペルチャーチ高崎
住所:高崎市江木町412-1
TEL:027-322-6200