コロナ対策と経営に生かすテレワーク(1)

(2020年12月31日)

「警戒度4」でテレワーク7割を目標に


コロナ第一波でテレワーク導入

テレワークは、「働き方改革」「地方創生」の手段として、普及推進が図られてきたが、昨今は新型ウイルス感染拡大により、感染リスクの回避、BCP(事業継続計画)としてもテレワークが推奨されている。

 

令和2年3月2日から学校が臨時休校し、さらに4月7日の緊急事態宣言以降、外出自粛、施設の使用制限、県境を越える移動の制限などが行われ、この時期にテレワーク・在宅勤務を実施した企業が多いと思われるが、実施したのは都内や大企業が中心であり、群馬県内では一部であったとも見られている。またクリエイターやIT技術者などで、導入が進んだとする調査結果もある。

 

新規感染者数が落ち着き、緊急事態宣言が解除された6月以降は、従来の出勤体制に戻る企業があり、テレワーク実施率は低下した。

 

11月に入って新型コロナウイルス感染が県内でも拡大したことを受け、群馬県の山本一太知事は11月28日に群馬県の警戒度を「2」から「3」に引き上げ、テレワークや時差出勤などについて、勤務者の5割を目標とした。

さらに山本知事は12月17日に警戒度4に引き上げ、テレワークの目標を7割とした。

 

人との接触機会を減らす働き方として、テレワークは有効であり、「新型コロナウイルスの感染防止対策として、テレワークを活用してほしい」と群馬県は呼びかけている。

 

自社に適したテレワークは経営にプラス

テレワークというと、従業者の多くが毎日自宅で勤務するイメージが強いが、各企業の実情に合わせてテレワークに取り組むことが重要とされている。

県内企業のテレワーク導入促進・支援に取り組む群馬県労働政策課労働力確保対策室は3月からテレワーク導入のための動画配信やセミナーなどを行うとともに、国の補助金に合わせ県も補助金を創設し、県内事業者の取り組みを支援してきた。

 

群馬県労働力確保対策室では、「2月、3月の第一波でテレワークに取り組んだ企業が多かったが、急激な変化のため企業内では十分に準備が整っていなかったのでないでしょうか」と当時の状況を捉えている。テレワークが感染防止対策にとどまらず、本来の目的である働き方改革につながり、企業経営に役立つことをあらためて啓発していきたいと考えている。

 

県は8月から県内中小・小規模事業者を対象に、テレワーク導入セミナーを実施している。セミナー講師のひとりである㈱アサヒ商会(問屋町)の広瀬社長は、テレワークを導入する意義について、喫緊の課題である新型コロナウイルスの感染拡大防止とともに、「デジタル技術を活用し、多様な働き方の創出、業務効率化につながる」など企業経営への効果が大きいことを強調している。

 

「初めてのテレワーク」をわかりやすく

県が実施しているテレワーク導入セミナーは無料で、初めてテレワークの導入や活用を考えている事業者のテレワークに関する様々な疑問や悩みにこたえられるよう、11月からは既存講座の充実とサイバーセキュリティ講座の新設をはかっている。

 

オンラインセミナー、アサヒ商会でのクラウドサービスを使ったテレワークの体験セミナー、労務管理セミナーの他、個別相談も受け付けている。

 

動画はこれまでに第3期にわけて合計12本が配信されている。一本の再生時間は5分から10分以内で、ポイントがコンパクトにまとめられているので、大変わかりやすい。

 

高崎商工会議所『商工たかさき』2020年12月号

高崎の都市力 最新記事

  • 株式会社環境浄化研究所
  • シネマテークたかさき
  • ラジオ高崎
  • 高崎市
  • 広告掲載募集中