もっと有機野菜の力を届けたい

(2020年12月29日)


株式会社ビオスク

 

販売、加工、給食事業にも参画

株式会社ビオスク

 

 オーガニック食品を気軽に食卓に

住宅街のなかにひょいと現れる赤い屋根が目印。有機野菜を手軽に味わってもらいたい、と櫻井正喜さんと妻の百合恵さんが2012年にオープンしたオーガニック八百屋のBIOSK(ビオスク)。

開店から5年ほどは遠方のお客様が多かったが、6年目以降は地域の人たちも増えてきたという。

 

「当初は有機栽培の定義はこう、自然栽培はこう、といった食に関する“正しい知識”や“あるべき姿”を伝えないと、という思いが強かった。今は、まずは有機野菜がおいしいと感じてもらうことが大事だと思います」と正喜さんは話す。

 

BIOSKでは農家さんで出た、余剰の有機野菜を加工したオリジナル商品も販売している。

 

一般的な加工メーカーだと最低ロットがトン単位からと大きくなりがちだが、BIOSKの場合は“ニンジンが100㎏余ってしまい困っている”といった農家さんの相談にも対応する、小回りの良さが特長だ。

 

店頭には、規格外品のネギと酒粕を使った食べるラー油、ニンジンの葉っぱを使ったジェノベーゼソースなどが並ぶ。ほかにも卵や小麦粉不使用のケーキやマフィン、旬の野菜をたっぷり使ったラップサンドを販売。オーガニック食品のおいしさを手軽に味わうことができる。

 

「コロナ以降、食への関心が一段と高まっています」と話す正喜さん。体に良いものを食べて免疫力を高めたい、という人が増えているという。外食する機会が減り、自分で食材を選ぶ場面が増えるなか、BIOSKには、さらに多くのお客様が集まっている。

 

 

長野県の佐久穂町で給食・教育分野にも乗り出す

有機野菜の販売・加工だけではなく、BIOSKは食育にも取り組んでいる。4児の父である正喜さんは、3年ほど前に子育て環境の充実を求めて高崎から長野の佐久穂町に移住した。そこで、同町の保育施設「森のようちえん ちいろば」と「大日向小学校」でのオーガニック給食の実現に向けて、日々奔走している。

 

「給食は半強制的に、子どもの口に入るもの。そこで野菜のおいしさを知ってほしいです」と、正喜さんは話す。また、佐久穂町の自然を活かした野遊びや料理を活動の中心に据えた学童事業、「MORINITY(モリニティ)」を仲間たちと立ち上げ、料理隊長として食材集めから実際の調理までを担い、オーガニック野菜の魅力をダイレクトに子どもたちに伝える取り組みを始めた。

 

オーガニック食品の販売・加工から教育事業まで、生きるため欠かすことのできない「食」を軸に、様々な事業を展開するBIOSKに今後も注目だ。

 

 

株式会社ビオスク

代表取締役  櫻井 正喜さん

高崎市中居町2-6-31

TEL.027-350-7012

https://localplace.jp/t200491928/

 

高崎商工会議所『商工たかさき』2020年11月号

「チャレンジ」に登場したあの人たちの今

 

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