コロナ対応で気がついたこと(1)
(2020年09月29日)
ラジオ高崎 オンラインラジオで全国にリスナー
新型コロナウイルス感染拡大防止と「新しい生活様式」への対応として、人と人が直接的に接触しないインターネットの活用が盛んとなっている。
番組ゲストがリモート出演
新型コロナウイルスの感染拡大により、ラジオ高崎は番組に出演する外部ゲストの来局を全面的に見合わせた。当初は電話でのゲスト出演を行い、WEB会議用の通信ツールを導入して、パソコン越しに出演者と対話しながら番組を進行できるように対応した。
テレビの番組でもモニター越しのオンライン出演を頻繁に目にするようになった。当初に比べて接続トラブルも無くなり音質、画質も向上し、インターネットを介した動画と音声のリアルタイム配信については当たり前になっている。新型コロナウイルスの感染拡大によって、WEB会議の活用が拡大した。
オーバーシュートと呼ばれる爆発的な感染拡大への懸念が高まり、都道府県をまたぐ移動の自粛が要請された時期でもあった。ラジオ高崎では、市内外から多数のゲストがレギュラー出演しており、新型コロナウイルスの感染者拡大を防ぐため、緊急事態宣言解除後も県外のゲストはリモート出演を継続している。
「ゲスト+ネット配信」でリスナー拡大
夕方のワイド番組「Air Place」では、ラジオ高崎開局20周年の平成29年から、高崎・群馬にゆかりのあるミュージシャンやタレントらの出演を積極的に進め、番組の幅を広げている。現在は、林家つる子さん(落語家)、渋川清彦さん(俳優)、ジョナサン・シガーさん(タレント)、JILLさん(ミュージシャン・PERSONZ)、岡田浩暉さん(俳優)、浜崎貴司さん(ミュージシャン・FLYING KIDS)、JOYさん(タレント)、松井常松さん(ミュージシャン・元BOØWY)、香川誠さん(ミュージシャン・ROGUE)が日替わりレギュラーとして出演している。
また、富岡賢治高崎市長、高崎芸術劇場芸術監督で指揮者の大友直人さん、高崎出身の音楽プロデューサー・吉田ゐさおさん、タレントの金谷ヒデユキさん、ROGUEのベーシスト西山史晃さんらがトーク番組に出演している。
こうしたゲスト出演者と全国のファンをつなげているのがインターネットによる番組配信だ。
ラジオ高崎は平成25年に「web radio」事業を本格的にスタートさせ、インターネットによる番組配信を行っている。直接電波が届くエリアに関わらず、インターネットを通じて日本国内はもとより海外でもラジオ高崎の番組が楽しまれている。インターネットラジオは音質面でも雑音が入らないなどのメリットもある。吉田ゐさおさんは音楽プロデューサーとしての力量を見せ、リモート出演と思えないクオリティの番組づくりを行っている。
9月1日より市庁舎屋上から送信に
ラジオ高崎の電波出力は20Wで、高崎市とその周辺地域を放送エリアとしており、放送局としては小規模な「コミュニティ放送局」に属する。
コミュニティ放送は、平成7年(1995)1月の阪神淡路大震災で被災者に対する情報提供手段としてラジオが役立つことを示し、全国の自治体で設立が進んだ。「地域密着」「市民参加」「防災および災害時の放送」が特徴だ。
ラジオ高崎の電波は観音山頂から送信されていたので、丘陵の地形や電波特性などから放送開始当初から市内に難聴地域があり、災害時の情報伝達手段として解消が求められていた。平成18年以降の合併によって市域が拡大したことで、難聴地域の解消があらためて課題となり、平成21年(2009)1月に倉渕中継局が運用開始となった。
インターネット配信により、難聴地域がなくなったとも言えるが、災害による停電などを考えると、ラジオで電波を受信して聴取できる環境を整えていくことは重要だ。
観音山丘陵の西側(乗附方向)、南側(吉井方向)は電波が入りにくく、また中心市街地でも周辺建築物の状況によって電波が入りにくいこともあったが、今年9月1日から送信施設を老朽化した観音山送信所から高崎市役所庁舎に変更し、改善に努めている。
自宅で聴くラジオファンが増加
新型コロナウイルス感染拡大の影響で外出自粛や在宅勤務となったことで、家でラジオを聞きながらインターネットを閲覧する人が増加したことを示す調査報告がある。
ニュースや身近な話題、音楽やメッセージなどラジオは隙間時間を楽しませてくれる。災害時には状況に応じたきめ細かい地域情報が伝達できることに加え、電波を通じて人々の気持ちが和らぎ、つながりを感じることができる。
新型コロナウイルスに関連した情報コーナーも開設し、高崎市の対応策や市内の動向を伝えている。
株式会社ラジオ高崎
大山 駿作 社長
高崎市八島町265
電話:027-322-5555
http://www.takasaki.fm/
スタジオ内のアクリル板の設置、機器等の消毒など感染防止に努めています。万が一、局内で感染者が発生した場合も放送が継続できるよう、本社の2階と3階にアナウンサーと技術スタッフを配分し、接触しないようにフロアを分けました。緊急事態宣言中は、スタジオに入室するのは局員に限定し、宣言解除後もスタジオに呼ぶゲストは高崎市内の人に限り、市外の人は引き続きリモート出演をお願いしています。
今回のコロナ対応の中で、必ずしもゲストの方にスタジオに来ていただかなくても番組が構成できることがわかり、今後に生かしていけそうです。
コロナの影響でイベントが中止になり、放送外の売上が減少しているので、引き続き営業力の強化と魅力ある番組づくりを進めていきたい。
コロナ関連の情報はタイムリーに放送していくことが使命と考えています。
高崎商工会議所「商工たかさき」2020年9月号