慈眼寺のしだれ桜
(2020年03月25日)
650年咲き続ける名木
下滝町の真言宗の寺・慈眼寺で今年も名物しだれ桜が見ごろを迎えている。50本ものしだれ桜を誇る寺の境内の現在の開花状況は、遅咲きのしだれ桜とソメイヨシノは咲き始め。早咲きの白いしだれ桜は満開後の花吹雪で来る人の目を喜ばせている。
約1250年前、聖武天皇の時代に開創された慈眼寺。時代は下り南北朝時代にこの寺を中興した乗弘大徳により「本尊聖観音の慈悲を里人に」との願いを込めて植えられたのがしだれ桜の始まりで、時代が移り変わっても古風な寂のある佇まいや気高い美しさで650年にわたり人々の心を捉えてきた。
逸話が残る樹齢250年超の『少将桜』は特に有名で、江戸時代・三代将軍家光の時代に前橋城主を務めた酒井忠清が、寺に立ち寄った折に一本のしだれ桜に魅了されるあまり城に木を移したが花も咲かず弱るばかりとなってしまったところ、夢枕にたった桜の精の涙ながらの訴えで慈眼寺に植え戻され、たちまち桜の木は生命力を取り戻したという。この伝説から『少将桜』『夜泣き桜』とも呼ばれ、この春も変わらず美しい花を咲かせ続けている。
桜の季節は4月上旬まで続くので、日ごとに変化する美しさを楽しみながら拝観と散歩を楽しんでみてはいかが。境内に建てられた芭蕉の句碑のごとく、桜吹雪や散り際の風流さもぜひ堪能してほしい。なお、桜の養生のため花見行事やライトアップなどは行われていない。
住所:高崎市下滝町19
問合せ:TEL.027-352-8365
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