ミニ観光で感動再発見(3)

(2019年08月31日)

忙しいビジネスマンに最適なリフレッシュエリア


標高1,084m。面積1,200㎡。周囲4.8㎞。榛名湖は、栃木県の中禅寺湖(標高1,391メートル)に次いで全国で2番目に高い場所にある湖。周囲には、中央火口丘の榛名富士(標高1,390m)と、それを取り囲むように天目山、氷室山、掃部ヶ岳、烏帽子岳などの外輪山が連なり、そうした山々の総称として榛名山がある。変化に富んだ地形が美しい眺望や四季折々の風景を豊かに演出する。

下界が猛暑となる夏季は、過ごしやすい高原の気候は快適! 高崎駅から車でおよそ50分。思い立ったら直ぐに出掛けられる別天地は、忙しいビジネスマンがリフレッシュできる最高のスポットといえる。

 

天空の別天地へ

まだ梅雨の明けない7月初頭、榛名湖を目指して坂道を上っていくと、榛名神社の辺りから、車道に木立の枝のアーチがかかり、清水が流れる山肌が迫ってくる。地元で“梅雨ゼミ”と呼ばれる蝉しぐれが途切れることなく響きわたる。坂を上りきって開けた視界に榛名湖と榛名富士の姿が飛び込んでくる。

右回りに湖畔を進んで榛名富士方面へ左折。突き当りの「榛名公園ビジターセンター」では、トイレ休憩と情報収集ができる。周辺には大型駐車場があり、ゴーカート、トテ馬車、乗馬などが楽しめる。ここの馬たちは、伊香保のふもとの東吾妻町の岡崎地区から毎日トラックに乗せられてくる。直射日光は暑そうだが、清々しい高原の気候では馬たちが汗をかくことはないそうだ。

 

湖畔でのんびり過ごす

榛名湖の東岸にある榛名公園では、湖畔のベンチに腰掛けて熟年、老年世代のご夫婦がお弁当などを広げている姿が意外に多く微笑えましい。持参のレジャーシートや折りたたみ椅子などを置いて、日がな一日のんびりと時間を過ごす人たちを見習って、自分の時間をマイペースに過ごす贅沢を味わいたい。手ぶらで来ても、近くの「榛名ロッジ」で飲食ができるので心配ご無用だ。

湖面ではボート遊びや釣りを楽しむ人々もいる。湖面をのぞくとワカサギが群れて泳ぐ様子も見られ、9月の釣り解禁までにはもう少し成長しそうだ。榛名湖では他に、へらぶな、コイ、マス、ブラックバス釣りが楽しめる。

また、湖畔周辺でジョギングを楽しむ人たちもいるが、手軽な気分転換にはレンタサイクルの利用がおススメ。二人乗り自転車で湖畔周遊道路約5.4㎞を完走したら、ちょっとした達成感が味わえそう。

 

ロープウェイで榛名富士山頂へ

榛名高原駅から榛名富士山頂まで、高低差300メートルを所要時間2分50秒で移動する「榛名山ロープウェイ」。15人乗り2両連結のゴンドラが約15分おきに出発しており、榛名湖と周辺を唯一俯瞰できる乗り物として利用してみてはいかがだろう。(往復840円)

駐車場に止まっている自動車は、関東圏内の他県ナンバーが目立つ。県内の温泉地や軽井沢に出かけたついでに榛名湖に寄るケースが多いという。

上昇するゴンドラの横を、ピーヒョロローと鳴きながら羽を広げて風に乗るトンビが通り過ぎていく。こちらも鳥の目で周囲の景色を楽しむ。右手に見える鏡のような湖面から徐々に遠ざかると、榛名湖との標高差300〜400mほどの外輪山に囲まれた地形がジオラマを見るように実感できる。正面には天目山(1,303m)、その右側に氷室山(1,236m)が最前列に陣取る。展望台からは、外輪山の向こうに関東平野が見渡せる。良く晴れた日は秩父連山の向こうに富士山の姿を見ることもできるという。

また、石段を上り切った榛名富士山頂には縁結びと安産の神・木花開耶姫命を祀る「冨士山神社」の社が鎮座している。頂上は快晴で日差しも強かったが、薄い雲が気持ちのいい冷気を連れて、何度も通り過ぎていった。

高崎商工会議所『商工たかさき』2019年7月号

 

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