東城信之介個展「butter out」

(2019年04月1日)


若手登竜門でグランプリ受賞の注目作家

高崎市問屋町のアートの発信拠点ビエントアーツギャラリーで、美術家・東城信之介の個展「butter out」が4月5日(金)から始まる。雪の縁や面を擦ったり壊したりして雪面から飛び出すことを表すスノーボード用語がタイトルとして冠された展示。街の中で目にする他者の痕跡をアーカイブし自分を付与することで、己の存在やリアリティを再構築する『Tagingu』シリーズの作品を特集する。廃車となった車の一部や、トタン、金属パイプ、何かの機械だったものの一部などに、マーキングをするように東城が己の表現をこすり合わせ、衰退していく都市や環境に対する違和感や、そこに生まれる時間のレイヤーを投影、見る者が過去や未来を行き来し思いを巡らせる場を創り出している。

 

1978年信州生まれの東城信之介は東京造形大学で学び、中之条ビエンナーレには2007年の第1回から参加を続けている。現在の創作活動は、今回の『Tagingu』シリーズと、1 ㎜以下の薄い金属板の表面に傷をつけ光の反射によって自分にしか見えなかった虚像や心象風景を再現する『Replica』シリーズが中心。若手作家の発掘・育成・支援を目的とする東京・青山のアートフェスティバルSICFで2018年の最高賞グランプリを獲得、また全国の学芸員や研究者らの推薦を受けた若手作家の登竜門「VOCA展」でも2019年のグランプリを獲得。いま日本で最も注目を集めるアーティストの作品が、ビエントに新たな風を吹かせる。4月6日(土)午後4時からは作家本人が登壇するトークイベントも開催される。

 

 

会場:ビエントアーツギャラリー(ビエント高崎1階西側)

会期:2019年4月5日(金)~5月6日(月)

時間:正午~午後6時

定休:火・水・木曜日

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